八ヶ岳全山縦走


  
横岳山頂にて


 報告者   :  内匠美佐子  
 山  名 八ヶ岳全山縦走  山行名 個人
 ルート

 行程
1日目 観音平7:40→編笠山11:35→青年小屋12:10→西岳13:50→青年小屋14:55(泊)  
   約
7km 7H(休憩含) 

2日目 青年小屋5:20→権現岳6:40→赤岳10:35→横岳12:45→硫黄岳14:10夏沢峠15:20→根石山荘16:00(泊)     約9.5km 11H(休憩含)

3日目 根石山荘5:10→根石岳5:25→東天狗岳5:50→高見石小屋9:15→白駒池10:20麦草峠11:25→茶臼山13:30→縞枯山14:05→北横岳ヒュッテ16:00(泊)
     14km 11H(休憩含)

   4日目 北横岳ヒュッテ5:00→北横岳5:10→亀甲池6:40→天祥寺原7:25将軍平9:05→蓼科山10:10→女ノ神茶屋登山口12:35 
    約
12km 7.5H(休憩含)


→タクシー利用プール平で入浴→
JR茅野駅15:06発→名古屋(新幹線)→京都18:48
 山行日  平成23年8月25日〜29日
 参加者 染矢つや子(CL)、 東明美(SL:山城の会)、 河合美恵子(記録)、 内匠美佐子(会計)
 8/25() 夜11時発の長野行夜行バスに乗車。翌早朝4時にJR松本駅に着く。始発の中央本線に乗る。小雨が降ったり止んだりの天気だが車窓から富士山が見えた。小渕沢駅で降りそこからタクシーにて観音平に到着。登山開始の準備をする。

 

1日目8/26() 7:40観音平を出発。一組の登山者の他は誰もいない。霧が立ち込める静かな樹林帯の中を行く。朝日が出て青空が広がってきた。今日はいいお天気になるだろうと嬉しくなる。雲海展望台を経て11:35編笠山に着く。青空は何処へ行ったのかガスで一面真っ白何も見えず残念。大きな岩石の斜面を下り12:10青年小屋に到着。昼食を済ませ、重いザックをデポして西岳をピストンする。5分程行った所に乙女の水(金命水)が流れペットボトルに入れる。とても冷たくて美味しかった。13:50西岳に着く。ここも展望はないがピンクのマツムシソウが群生している。しかも大輪である。こんな光景は初めてと皆喜んでいたら急に雨が降り出してきた。瞬く間にどしゃ降りになった。カッパは持っていたものの登山道は水がたまり、ずぶ濡れになりながら青年小屋に戻った。この状態で進むのは無理と判断し、今夜は青年小屋に泊まることにした。小屋では夕食後、ミニコンサートがありチェンバロの音色を聴かせてもらった。深夜、強い雨音が聞こえ明日の天気を心配しながら寝入った。

 

2日目8/27() 4:00起床雨は上がっていたのでホッとする。5:20青年小屋を出発。昨日登った編笠山を背に登りが続く。朝は遠望よく下界まで見渡せた。6:55権現岳山頂に着く。奇岩がニョキニョキ突き出たような山頂である。朝食を済ませ、八ケ岳の主峰赤岳を目指す。ガレ場の下りが続く中、源治バシゴと呼ばれている長い鉄のハシゴを恐る恐る下る。再度見上げ20m以上はあると思う。Kさんが62段あったと教えてくれた。よく数える余裕があるなと感心した。暫くはルンゼ(岸壁に水の浸食作用でできた険しい溝)の岩場をクサリ伝いに通り、10:45赤岳に到着。多くの登山客で賑わっている。目立つのは華やかな山ガールと明るい中高年女性。赤岳展望荘、三叉峰を通り12:45横岳に着く。ここで昼食を済ませ再び進む。硫黄山荘を過ぎるとコマクサの群生地が広がり、前方になだらかな硫黄岳が見える。大きなケルンを目印に緩やかに高度をあげる。これが結構疲れる。14:10硫黄岳山頂にやっと着く。だだっ広い山頂、360度見渡せる八ケ岳の峰々、今回初めての見事な景観です。わぁー良く見える赤岳に中岳、阿弥陀とAさんが言っている。思い思いに写真を撮り、コーヒーの一時を味わう。どこから来たのかカモシカ一匹が堂々と歩いている。単独行動で人間を怖がりもせず、ここから夏沢峠へ下る私達をじっと見つめていた。夏沢峠を越え箕冠山(みかぶりやま)を経て16:10今日の宿泊地根石山荘に到着。ここは豊富な清水が自由に使えるので喜んだ。お風呂もあり順番に入って汗を流した。夕食には山荘のオーナーが作ったズッキーニー、夕顔の煮物がでた。珍しい食材であっさりして美味でした。

 

3日目8/28() 4:00起床、5:10出発。又も雨、雨具を付けての登山です。東天狗岳を過ぎた頃雨が上がり朝日が照りだす。雲海の上に遠方の山々が見える。足元がぬかるんで靴は泥だらけ。多くの登山者やグループとすれ違う。いずれも女性が多い。高見石小屋、白駒池までは濡れた岩石の登山道で常に滑らないよう注意して歩く。10:20 Sさん念願の白駒池に着く。青空が広がり綺麗な池を眺める。ここは避暑地、多くの観光客で賑わっている。メルヘン街道の立派な車道が近くにあるので人は来易い。麦草峠で昼食。ヒュッテのアイスクリームを食べる。メルヘン街道を横断して茶臼山を登る。この辺りは去年の4月クロカンで歩いた道だ。あの時はすいすい歩けた。雪の下はこんなに岩石があったのか、夏の道はなんと歩き憎いことかと苦笑する。縞枯現象を間近に見る。縞枯山荘の前を通り坪庭に出る。ここも多くの観光客で賑わう所だ。坪庭を通り北横岳ヒュッテに向かう。今日最後の登り相当疲れが出てきている。16:00やっとヒュッテに辿りついた。私達4人と奈良から来たという女性3人のグループだけでゆったりと部屋を使わせてもらった。夕食は名物のさくら鍋。馬肉でのすき焼き、意外に柔らかい肉でした。デザートにメロンがでて豪華な食事でした。

 

4日目8/29() 4:00起床、5:00出発。5:30北横岳山頂に着くと間もなくご来光。快晴で360度の展望を楽しむ。奈良の女性3人とヒュッテの主人も加わり一緒に記念写真をとる。しばし楽しい会話が弾む。目前に聳える雄大な蓼科山。いよいよ最後の山をじっくりと眺める。さぁー!と声をかけ出発。亀甲池まで下る。静まりかえった池で朝食。天祥寺原の道も相当ぬかるんで歩き難い。おまけに覆い被さる熊笹の滴で下半身はずぶ濡れ。9:05将軍平に着く。遠方からはなだらかに見えていた蓼科山もここからは急な岩登りである。ザックの重みがこたえる。ハーハー、フーフーと苦しい呼吸をしながら10:10蓼科山頂に到着。全員笑顔で握手。山頂はだだっ広く一面岩石で埋め尽くされている。中央に神社の祠がある。下りはペンキマークを見ながら、女ノ神茶屋登山口へ12:35に下山した。こちらも登山道も結構岩石が続き、熊笹の覆い被さる湿地帯はぬかるみが多く泥だらけになった。34日全行程を終え全員無事でなりよりでした。
 
     
 編笠山(下に青年小屋が見える)  奇岩の権現山  赤岳(硫黄岳山頂より)
     
   蓼科山頂にて  
写真提供 : 内匠さん